【ライブレポート】 恒例のクリスマスライブ「GREATEST CHRISTMAS」は神セトリ! 最新曲からレア曲まで取りそろえたRIP SLYMEからの冬ギフト!

今年4月に5人で再集結して以降、春・夏・秋のフェス出演で変わらぬ存在感を発揮。さらに8年ぶりとなるワンマンツアー「DANCE FLOOR MASSIVE FINAL」でも各地を熱狂の渦に巻き込んだRIP SLYMEが、12月24日・25日の2日間、Zepp Haneda(TOKYO)でクリスマスライブ「GREATEST CHRISTMAS」を開催した。
RIP SLYMEにとってクリスマスライブは、プレデビュー前の2000年から続くファンとの特別な約束だ。2003年と2015年を除き、ほぼ毎年、趣向を凝らして開催されてきたこの名物企画も今回で16回目を数える。グループ初のツアー形式で行われた2016年の「Christmas Trip」から9年ぶりとなる今回のライブで彼らが掲げたタイトルは「GREATEST CHRISTMAS」。これは25周年イヤー記念ベストアルバム『GREATEST FIVE』にちなんだものだが、実際のライブもその名にふさわしいGREATESTな内容だった。
再集結後の新曲はもちろん、ファン歓喜のマニアックな楽曲から、歴代のクリスマスライブを彩ってきたウィンターソングまでを網羅した選曲は、まさに“神セトリ“。しかも、今秋の「DANCE FLOOR MASSIVE FINAL」ツアー(以下「DFMF」)で演奏していない楽曲が2日合わせて計15曲も演奏された。さらに今回はバンド編成パートとターンテーブルパートという、一度で二度楽しめる構成。ファンにとって嬉しいサービス満載の内容で、アンコールを含めた全23曲、約2時間にわたるステージを繰り広げた。

ライブはお決まりのカウントダウンで開始。客席の灯りが徐々に落ちていく中、開演1分前にバンドメンバーが登場し、チューニング音を鳴らし始める。観客が声を揃えてコールするカウントは10秒前から一気に大きくなり、開演時刻ぴったりで、バンドによるファンファーレのような演奏がスタート。正面スクリーンに映されていた窓越しの都会の夜景は一人称視点に切り替わり、びゅーんと空を飛んで行く。やがてゲレンデを滑り降りるアニメーションへと移り変わり、滑り降りた先にある雪山のロッジに入ったところでツアータイトルが映写。それを合図にバンドが1曲目「Present」のイントロを奏で始めると、シャンパンゴールドのスリーピーススーツに身を包んだフォーマル姿のRIP SLYMEがゆっくり歩いて登場。割れんばかりの歓声に迎えられる中、FUMIYAがDJブースに向かい、クリスマスライブの幕が華やかに開けた。
1曲目のパフォーマンスが始まると、スクリーンの映像がロッジ前の広場へと切り替わる。2コーラスを歌い終えたところで、その広場に白いプレゼント袋を背負ったサンタが現れ、てくてくと左右に歩いては、ふっと姿を消してゆく。曲名にマッチした小粋な演出がいかにもRIP SLYMEらしい。しかも、このサンタはその後の楽曲でもたびたび登場。愛くるしいその動きがクリスマスのメルヘンなムード作りに、さりげなく存在感を放っていた。
アウトロでRYO-Zが「GREATEST CHRISTMASへようこそ!ご来場の方も、配信の方も、最後まで楽しんでいってください」と挨拶してライブは2曲目「Hot Chocolate」へ。バンド演奏によって力強さが加わったジャングル・ビートに合わせてRYO-Zが「Say! Whoo! Whoo!(Whoo! Whoo!)」とコール&レスポンスを煽ると、1曲目のハッピーなムードから一転、フロアの熱気がぐんぐんと上がっていく。続いてはスウィーツ繋がりで「甘い生活~La dolce vita~」を披露。RIP SLYME流の洗練された楽曲とスウィートなおもてなしにより、会場に和やかな空気が広がっていく。

演奏後、RYO-Zが「2025年12月25日、みなさま、メリークリスマスです」と渋い声で挨拶。「この年の瀬の忙しいときにみなさん暇なんですか?」と集まった観客にユーモアを交えて感謝を伝える。そしてライブの流れを切らさぬよう、「次はセンチメンタルな曲を」と早々に話題を転換。オープニングからコーラスを務めていたWISEとおかもとえみをステージ前方に招き、「夏の終わりの曲だけど、クリスマスにも似合うんじゃないか」という紹介から次曲へと移っていった。


2人を迎えて演奏された「サヨナラSunset feat. WISE & おかもとえみ (RS5 Remix)」はバンド演奏による強靱なグルーヴで躍動感がアップ。続く「M・I・L・K」も低音が豊かになり、ブルージーなコクが迫力を増している。そして、このバンド演奏パートの白眉といえるのが、RYO-Zの10カウントから始まった次の「GALAXY」だった。ブラス隊がイントロを派手にブロウすると場内の空気が一変。バンド演奏でリッチになった人力ディスコビートがフロアの熱気を高めていく。

今回のライブのために結成されたGREATEST CHRISTMAS BANDのメンバーは、バンマスの河野伸(Key)、山本タカシ(G)、とっつぁん(B)、佐野康夫(Dr)、本間将人(Sax/Flute)、中野勇介(Trumpet)、五十嵐誠(Trombone)という腕利きばかり。間奏ではメンバー紹介を兼ねて彼らが4小節ずつソロプレイを繰り出しいったのだが、最後にブラス隊が「FUNKASTIC」の間奏フレーズを一部プレイ。その挟み込み方が抜群にクールで、観客のテンションはさらに爆上がりした。
その勢いのまま突入した「楽園ベイベー」では、バンドのグルーヴィーな演奏とサビを歌う観客の歌声が重なり、場内が完全に一体化。熱気がこの日最初のピークを迎え、バンド演奏パートが一旦終了した。

ここで、この日最初のMCへ。今回のライブでは「DFMF」と同様に、MC中のBGMとしてFUMIYAの未発表トラックが使用されていることを明かし、話題は2000年から続けてきたクリスマスライブの思い出へ。その流れでRYO-Zが「懐かしいついでに、懐かしい曲いきますか?」と促し、次のターンテーブルパートへとつなげていった。
ターンテーブルパートの1曲目は日替わりメニュー。前日はライブで久々となる「DISCO-MMUNICATION」を繰り出してファンを喜ばせたが、この日は懐かしい「Rock it!」を披露。ラフ&ワイルドなギターリフと、タフ&プリミティブなリズムがフロアを大きく揺らしていく。続いても久しぶりとなる「Tokyo Classic」と「AH YEAH!」が投下され、古くからのファンは大興奮。前者はサンバ、後者はツイストという陽気なビートが連なり、日常を忘れるほどの高揚感が場内に充満していく。そこから再集結後の新曲「どON」と「Wacha Wacha」へと雪崩れ込むと、フロアの盛り上がりは上を下への大騒ぎ状態へ。2004年発表の「Rock it!」から約20年、時代も世代も軽やかに飛び越えて新旧のダンス曲をシームレスにつないでいくライブ構築の巧さがRIP SLYMEの真骨頂だ。さらに「DFMF」とは異なるアプローチを駆使できる点も彼らの大きな強み。今回はロック/オールディーズ寄りの持ち味を活かしたダンサブルな楽曲の波状攻撃で、ライブハウスを完全無欠のダンスフロアへと変貌させていった。

その後のMCでは、昔の曲をやると次に歌うメンバーを間違えて指名しがちという“あるある”トークに。その流れからPESが「まあ、誰が歌ってもいいやっていう年齢になりましたよね」と続け、RYO-Zが「なんか4〜5人でやってるグループでしょ? って気楽に見てもらえれば」と発したところで、ライブ定番になりつつある、FUMIYAによるMCサンプリングが発動。FUMIYAがフレーズをチョップし、PESがサンプラーでビートを叩いて、新曲「なんか4〜5人でやってるグループでしょ?」を完成させ、会場を和やかな空気に変えていった。
MCで一呼吸入れたあとは、再びターンテーブルによるパートへ。RYO-Zの「ビートの効いたクリスマスの曲、聴きたいですよね?」という紹介から「星に願いを」が繰り出され、力強いシャッフルビートにカラダもココロも弾んでいく。続く「黄昏サラウンド」「太陽とビキニ」「One」という流れは、切なさが滲むオーガニックな質感の楽曲が連なるブロック。「One」では冒頭のPESのヴァースでいつものように観客の合唱が起こり、さらにラスサビでは主旋律をフロアが歌い、4MCが追っかけコーラスを入れる形で大合唱へ。会場の一体感はさらに高まっていった。


ここで再びMCへ。そろそろラストスパートということで、RYO-Zが「楽しい時間もあっという間です」と呼びかけると、会場から「えーっ!?」という悲鳴にも似た声が一斉に上がる。今日はオープニングから熱気がすごく、汗でびちょびちょになりながらライブを楽しんでいると話していたPESは、この「えーっ!?」に即座に反応。「えーっ!? えーっ!? えーっ!? えーっ!?」と甲高い声で音階を付けながら連呼し、妙にハイなテンションになっていく。すると、この日2度目のFUMIYAによるMCサンプリングが発動。躍動感をそのまま注入した新曲「えーっ!? えーっ!? えーっ!? えーっ!?」が誕生した。その完成度の高さにSUも思わず「本当にかっこいい!」と大絶賛。このときのPESの様子は文字にするのが難しいので、ぜひアーカイブで配信で確認してほしい名場面だ。そんな自由すぎる流れを「ちょっと心配になるくらいです(笑)」とやさしく回収したRYO-Zが、「外は冬の寒さですから暖まってもらおうと思います」と話を切り替え、ライブはいよいよラストスパートへと突入した。
「FUMIYAくん、アツアツをひとつお願いします!」というRYO-Zのコールから繰り出されたのは「熱帯夜」。観客は大きな声で歌いながらサビの手振りを踊り、フロアは文字通りアツアツの状態に。会場が稀に見るほどの熱気を帯びると、MC4人のパフォーマンスの熱量も上昇。そのボルテージを保ったまま突入した「結果論」と「センス・オブ・ワンダー」では、しっとりとした楽曲であるにもかかわらず、観客が体を揺らし、手拍子も起こるなど、会場がさらにひとつにまとまってライブ本編は幕を閉じた。

熱の冷めない拍手に迎えられて始まったアンコールは、4MCが赤いサンタ帽をかぶり、FUMIYAがトナカイのカチューシャを付けて登場。FUMIYAは白いプレゼント袋も背負っていて、その中に入っているライブグッズを紹介するMCとなった。その流れからクリスマスライブ恒例の来場者へのプレゼントも発表。今回のおみやげは、足元を温めてくれるモコモコのルームシューズ a.k.a. 「スリッパーズ・ディライト」(by RYO-Z)。ちなみに初日はピンクで、2日目はペパーミントグリーン。色違いを用意するところにRIP SLYMEらしいホスピタリティが行き届いている。


その後、おかもとえみとWISEを呼び込み、RYO-Zの「RIP SLYMEイチ、クリスマスっぽい曲を」という紹介から、ライブは「Supreme」でスタート。しっとりとした室内楽調のロマンティックなナンバーで観客をうっとりと酔わせていく。その後、再びバンドが登場し、生演奏でファンキーさがアップした「love & hate」と、スウィング感が強調された「BLUE BE-BOP」でクリスマスの楽しい雰囲気を音で演出していく。「BLUE BE-BOP」では、2コーラスを歌い終えたタイミングでPESが「本日、お友達が来てくれましたー!」とシャウト。すると、ステージ袖で観覧していたBIMとSTUTSがステージを走り抜けるというサプライズで、観客を大いに沸かせた。演奏が終わり、ステージに呼び戻された2人は、DJブースにいるFUMIYAのマイクを借りて挨拶。BIMは「RIP SLYMEを聴いてラップを始めたら、こんなことになりました!ありがとうございます!」と今の気持ちを伝え、STUTSは「RIP SLYMEさん、本当に最高です。メリークリスマス!」と笑顔を見せた。続けてBIMは、「過去も、今も、これからも、RIP SLYMEを聞き続ける人! 言えよRIP SLYME!(RIP SLYME)」と観客とコール&レスポンス。会場の興奮をさらに高めて、2人はステージを離れた。

バンドも送り出して、5人だけがステージに残ったところで、ライブは最後の楽曲「Today」へ。照明は歌うメンバーをひとりずつ照らすピンスポットのみとなり、しっとりとした曲調に合わせて、スクリーンには2025年のRIP SLYMEを振り返る写真が次々に映し出される。再集結してからの歩みと、今この瞬間の重なりを感じさせる、「Today」という曲名にふさわしい演出だ。しみじみとしたムードが場内を包む中、アウトロでビートが変わると照明が徐々に明るくなっていき、空気がゆっくりとやわらいでいく。すべてのパフォーマンスを終えた5人はステージ前列に並び、感謝を込めて一礼。最後にRYO-Zが「みなさん、よいお年を! RIP SLYMEでした!」と笑顔で短く挨拶して、5人はステージを後にした。
エンドロールではこの日のセトリとバンドメンバーを紹介。続いて5人の写真と名前がロールアップしていく。「DFMF」のエンドロールでは名前の横に“友情出演”と書かれていたSUが、“スペシャルゲスト”に格上げ(?)されていて、5人の仲睦まじさを笑いに変えて伝えてくれる。ここでBGMに使われていた楽曲は、2003年発売のアルバム『RIP SLYME ORCHESTRA+PLUS』に収録されている「運命共同体」。FUMIYAの選曲だそうだが、5人は運命共同体だというメッセージを伝えたかったのだろう。そして最後は恒例の「ADIOS!」の文字。クリスマスらしい緑色の文字に雪がちょっぴり積もっていて、2025年のクリスマスライブはハートウォーミングな余韻を残して幕を閉じた。
チケットが即完する人気ぶりだったRIP SLYMEのクリスマスライブ。12月25日にZepp DiverCity(TOKYO)で開催されたこの日の模様は生配信もされていた。こちらの配信チケットは2026年1月4日(日) 21:00まで購入ができ、同日23:59までアーカイブ配信も視聴可能。寒い冬を温めてくれるRIP SLYME冬の恒例ライブをお見逃しなく(配信に関する詳細はこちら)。
文/猪又 孝
写真/砂流 恵介